イタリア通信 – 2025年5月 –

  • DATE
  • 2025/05/20

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  • 駐在員レポート

    コンクラーベ 、そしてボクサーに一目惚れ

    Genovaは寒かったため4月末まで暖房が延長になりましたが、ようやく少し肌寒い位の過ごし易い陽気になり、藤の季節になりました。

    イタリアでは新教皇が選出され、このタイミングで映画 「コンクラーベ」 が再上映されたため、観に行ってきました。 秘密の世界を覗くようなスリリングな展開で、とても面白かったです。 なんと新教皇も実際のコンクラーベのちょっと前に観に行ったとのことです。

    現在ローマではテニスのマスターズが行われていますが、ドーピングで出場停止になっていた世界ランク1位のシンナー選手の復帰戦であるため注目されています。 そんな中、テニス好きの教皇とシンナー選手の面会が実現しました。 白い法衣を身にまとった教皇が「私もウィンブルドンでプレーできますね。」 とのジョーク。 前教皇同様、親しみやすくユーモアのある方と知り、嬉しくなりました。

    そして日本からの友人と再会するためローマを訪れた際、国立博物館に足を運びました。

    ローマは観光客で溢れかえっていましたが、この駅前の博物館を訪れる人は少ないようで、ゆっくり見学できました。 そこで出会った紀元前4世紀頃のブロンズ像に一目惚れ。

    その時代にこんな精巧なものが作られていたなんて、本当に信じられません。 当時の格闘グローブを付け、手には傷と血がにじんでいるような跡が・・・ たぶん勝負に負けてしまって、呆然としている姿なのではないかなと想像したりしました。

    この像は現在の大統領官邸近くを発掘していた1885年に、このままの姿で座っていたところを発見されたとのことです。 2000年以上もの間この姿で存在していたなんて・・・そしてこの博物館にはモザイク画もたくさん展示されていて、2世紀頃のかわいいネコのモザイクに魅了されました。 偶然訪れた博物館でこんなお宝達に出会えるなんて!ローマにいらした際は、このお宝達に会いに行ってみてはいかがでしょうか?

    カチョ・エ・ぺペ (Cacio e Pepe)

    ローマのパスタと言えばカルボナーラ。 でも私にはちょっと重いので、ローマに行くと必ず食べて、味比べするのが 「カチョ・エ・ペペ」。 ローマの人達に愛されている一皿です。

    元々は羊飼いが長距離移動する際、長持ちして持ち運び便利な食材として、保存性の高い羊のチーズ、こしょう、乾燥パスタのみで作られていたもので、胡椒たっぷりなので、冬場は体を温める効果もありました。

    このシンプルな素材で作られるパスタは奥が深く、パスタのゆで汁を加える加減がクリーミーなソースの味の決め手になるようです。 今までのマイベストは、「カルボナーラ」 という名前のトラットリアのもの。

    まだ日本ではそれ程知られていないカチョ・エ・ペペ。 機会があれば是非味わってみてください! 

    イタリア駐在 新田美穂

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